「ブラウザ操作の自動化」と一口に言っても、実際にどんな業務が、どれくらいの効果で自動化できるのかはイメージしづらいものです。
本記事では、クラウドBOTを使って実際にブラウザ操作を自動化した事例を、業種・業務別に9件、具体的な課題・解決フロー・削減効果の数値つきでご紹介します。ブラウザ操作の自動化そのものの基礎知識や実現方法については、以下の記事もあわせてご覧ください。
→ [ブラウザ操作の自動化とは?方法・ツール比較・活用事例を徹底解説]
→ [ブラウザ操作を自動化する方法まとめ|Selenium・Python・RPA・ノーコードを比較]
→ [ブラウザ操作を自動化できるAIエージェント比較【2026年最新】]
目次(業種から探す)
- 税理士・会計事務所|eLTAX/e-Taxのメッセージ確認を自動化
- 経理・総務|郵送業務の自動化
- 経理・総務・人事|定型処理の自動実行とデータ保全
- EC・小売|AIエージェントによる24時間の状態監視
- 営業・マーケティング|Excelデータの一括自動登録
- 自動車販売業|問い合わせ対応の初動速度を最大化
税理士・会計事務所|eLTAX/e-Taxのメッセージ確認を自動化
複数クライアントを抱える税理士・会計事務所では、税務ポータルサイトへのログイン・確認作業が積み重なり、大きな工数負担になっていました。
eLTAXのメッセージを自動取得し、kintoneに連携
課題:200クライアントを抱える事務所で、クライアントごとにeLTAXへログインし、納付結果通知や納付情報発行結果などのメッセージを1件ずつ手動確認する作業に、毎月6時間以上を費やしていました。
解決フロー:kintoneのレコード画面に設置した「メッセージ取得」ボタンを押すだけでBOTが自動起動。eLTAXに自動ログインしてメッセージ一覧を取得し、スクリーンショットと受付番号・件名をkintoneのテーブルへ自動格納します。
効果:月6時間の工数削減。通常の状況確認はkintoneを見るだけで完結するようになり、eLTAXへの手動ログインが不要になりました。
→ 詳細事例:[eLTAXのメッセージを自動取得し、kintoneに連携した事例]
e-Taxのメッセージを自動取得し、kintoneに連携
課題:同じく200クライアント規模の事務所で、e-Taxのメッセージ(タイトル・税目・申告区分など)を1件ずつ手動確認する作業に、毎月6時間以上を要していました。
解決フロー:kintoneの「メッセージ取得」ボタンからBOTが自動起動し、e-Taxに自動ログイン。タイトル・税目・申告区分の情報とスクリーンショットを取得し、kintoneへ自動格納します。
効果:月6時間の工数削減。各クライアントのメッセージ情報がkintoneに一元管理され、チーム内の情報共有もスムーズになりました。
→ 詳細事例:[e-Taxのメッセージを自動取得し、kintoneに連携した事例]
経理・総務|郵送業務の自動化
請求書や案内状の発送業務は、印刷・封入・郵送手配という手作業が多く、ヒューマンエラーや属人化が起きやすい領域です。
kintoneからネットdeゆうびんで郵送を自動化
課題:会計事務所・イベント関連企業で、大量の郵送物の封入・発送作業が月末月初に集中し、宛先の貼り間違いなどのヒューマンエラーも発生していました。郵送の承認フローが属人的で、担当者の出社が前提になっていたことも課題でした。
解決フロー:kintoneに送付先情報とPDFを登録し、承認機能で上長が確認。承認後、「送信」ボタンでBOTが自動起動し、ネットdeゆうびんへ自動ログインしてアップロード・郵送申込みまで自動実行します。
効果:会計事務所で月20時間以上、イベント関連企業で月15時間以上の工数削減。宛先ミス・送付物の入れ間違いもゼロになりました。
→ 詳細事例:[kintoneからネットdeゆうびんで郵送を自動化した事例]
kintoneからWebゆうびんで郵送を自動化
課題:派遣・求人業で、利用顧客への請求書・案内書類の発送準備に手間がかかり、宛先ミスなど発送品質のばらつきも課題になっていました。
解決フロー:kintoneに送付先情報とPDFを登録して承認フローに載せ、「送信」ボタンでBOTが起動。Webゆうびんへ自動ログインし、郵送手続きまでを自動完了します。
効果:月25時間以上の工数削減。発送ミスがゼロになったほか、確認・承認フローがクラウド上で完結し、業務の見える化と遠隔対応も実現しました。
→ 詳細事例:[kintoneからWebゆうびんで郵送を自動化した事例]
経理・総務・人事|定型処理の自動実行とデータ保全
「誰かがボタンを押さないと動かない」処理や、日々のバックアップ作業も、スケジュール実行によって完全自動化できます。
kintoneのプラグインボタンを自動クリックして集計処理を自動化
課題:日報集計・年齢算出・freee連携などのkintoneプラグイン実行ボタンを、毎日担当者が手動でクリックする必要があり、不在・多忙時には押し忘れによる集計漏れが発生していました。
解決フロー:BOTがスケジュール実行で毎日決まった時間に自動起動し、kintoneに自動ログインしてプラグイン実行ボタンをクリック。複数の処理を連続して実行します。
効果:毎日発生していた手動クリック作業がゼロに。処理漏れも発生しなくなり、実行ログでいつ何が実行されたかを確認できるようになりました。
→ 詳細事例:[kintoneのプラグインボタンを自動クリックして集計処理を自動化した事例]
kintoneレコードのバックアップを自動化
課題:kintoneの重要データのバックアップを担当者が手作業で行っており、忙しい日には作業自体を忘れてしまうリスクがありました。
解決フロー:BOTが1日1回自動でkintoneにログインし、対象アプリのレコードをCSVでエクスポート。バックアップ用の別アプリへ自動登録します。
効果:バックアップ運用を完全自動化し、月間約7.5時間の工数を他業務に振り向け可能に。バックアップ忘れもゼロになりました。
→ 詳細事例:[kintoneレコードのバックアップを自動化した事例]
EC・小売|AIエージェントによる24時間の状態監視
ECサイトの状態をAIエージェントで定期監視
課題:複数あるECサイトの管理画面を担当者が手動で確認しており、欠品や決済エラーの多発に気づくのが遅れ、機会損失や顧客クレームにつながるリスクがありました。夜間・休日の異常検知も困難でした。
解決フロー:AIエージェントがスケジュールに従って自動起動し、複数の管理画面を自律的に巡回。売上推移・在庫・決済エラーなどの状態を読み取り、正常か異常かを自律判断します。異常を検知した場合のみ、担当者にメールで即時通知します。
効果:24時間365日の監視体制を実現し、確認漏れがゼロに。異常発生と同時に通知が届くため、迅速な初動対応が可能になりました。
→ 詳細事例:[ECサイトの状態をAIエージェントで定期監視した事例]
営業・マーケティング|Excelデータの一括自動登録
ExcelデータをkintoneのCRM機能に一括自動登録
課題:展示会で獲得した顧客データのExcelフォーマットが毎回異なり、kintone登録用に列を並び替える変換作業と、コピペによる手入力に時間がかかっていました。月2回の展示会出展のたびに発生する作業で、本来注力すべきフォローアップの時間が圧迫されていました。
解決フロー:ExcelファイルをそのままBOTに添付して実行するだけで、AIエージェントがkintoneの入力項目を自動判断。フォーマットの違いを吸収しながらデータを補正し、1件ずつ自動登録します。
効果:月10時間の削減。フォーマット変換作業がゼロになり、入力ミスや登録漏れも解消しました。
→ 詳細事例:[ExcelデータをkintoneのCRM機能に一括自動登録した事例]
自動車販売業|問い合わせ対応の初動速度を最大化
査定依頼メールを受信したら自動でkintoneに顧客・車両情報を登録
課題:一括査定サイトからの問い合わせに対し、メール確認・情報収集・kintone入力・買取相場の検索までをすべて手動で行っており、ファーストアクションの速度がスタッフの稼働状況に左右されていました。この業界では対応速度の遅れがそのまま機会損失につながります。
解決フロー:査定依頼メールの受信をトリガーにBOTが自動起動。メール内のURLから管理画面にアクセスして顧客・車両情報を取得し、gooネットで買取相場を参照したうえでkintoneに自動登録。担当者にはレコードURLをメールで即時通知します。
効果:メール受信と同時にkintone登録・担当者通知が完了する体制になり、対応開始までのタイムラグがゼロに。ファーストアクションの速度向上が、成約率の改善に直結する競争優位となりました。
→ 詳細事例:[査定依頼メールを受信したら自動でkintoneに顧客・車両情報を登録した事例]
事例から見える、自動化しやすい業務の共通点
9つの事例を振り返ると、自動化と相性が良い業務にはいくつかの共通点があります。
- 「誰かがボタンを押さないと動かない」定型処理(プラグイン実行、バックアップなど)
- 複数のWebサービスをまたいだ転記・連携作業(kintone⇄税務ポータル、kintone⇄郵送サービスなど)
- 件数が多いほど負担が増える単純作業(メッセージ確認、データ登録など)
- 対応速度がそのままビジネス成果に直結する業務(問い合わせ対応、初動連絡など)
自社の業務の中にこうした特徴を持つ作業がないか、まず洗い出してみることが、自動化の第一歩になります。
まとめ
ブラウザ操作の自動化は、税理士事務所の税務ポータル確認から、経理・総務の郵送業務、EC・小売の24時間監視、営業のデータ登録、自動車販売業の初動対応まで、幅広い業種・業務で成果を上げています。
いずれの事例も、共通しているのは「毎回・毎日発生する定型作業」を自動化の起点にしている点です。自社の業務にも当てはめられそうな事例があれば、まずは近い業務から自動化を検討してみてください。
方法の選び方や具体的な始め方については、以下の記事もあわせてご覧ください。
→ [ブラウザ操作の自動化とは?方法・ツール比較・活用事例を徹底解説]