導入事例

税務業務の現場では、手間のかかるルーティン作業が日々発生しています。こうした “当たり前” となっていた作業をクラウドBOTでどのように効率化したのか。今回は、代表税理士であり、実際に自動化の運用を進めている山田様にお話を伺いました。

---

---

---

導入の経緯について

金栄： RPA導入前に課題になっていたことと、導入の経緯について教えていただけますか？

山田様：この業界では毎月ルーティンとして発生している作業が多数あります。中でも一番の手間は、クライアント1社1社の税に関する通知を e-Tax、eL-Tax にログインして取りにいかないといけない部分です。
課題として強く認識していたというよりも、当たり前になっていたのですが、この手間をなんとか解消したいとは思っていました。

実は以前、RPAが流行った時期にデスクトップ型のRPAを使い、この課題の解決を試みたことがあるのですが、期待した結果を得ることができませんでした。当時のRPAには、フロー設計の難しさとツールとしての使いにくさを感じていました。
そんな中、税理士の知人からクラウドBOTを勧められ、触ってみたことがきっかけです。

クラウドBOTの利用用途と導入効果

金栄：クラウドBOTはどのような業務でご活用いただいていますか？

山田様：e-Taxから申告前のお知らせの内容を取得し、kintoneに格納するBOTです。各クライアントのkintone詳細画面から実行ボタンをクリックすると、BOTがe-Taxから各クライアントのお知らせを取得します。取得した情報はkintoneのサブテーブルに登録されるので、私たちが e-Tax に都度ログインする必要がなくなりました。

---

もう1つは、ダイレクト納付の完了チェック作業です。弊社は計算申告、中間納付、源泉税の納付代行なども行っており、ダイレクト納付のスケジュールを組んでいます。
納付日にBOTを実行し、eL-Tax上で納付が完了しているかをチェックする作業を自動化しています。

金栄：手間のかかる作業をBOTで確実に自動化されている点が素晴らしいです。特にkintoneとの連携により、手作業を大幅に減らせているのは大きな効果ですね。

クラウドBOTの良いポイント

金栄：実際に導入されてみて、満足しているポイントがあれば教えてください。

山田様：kintoneの画面からボタンをクリックして待っているだけなので、他の作業と並行して進められるところがありがたいですね。
もう一点大きなポイントは、詳細な作業手順を知らないスタッフにでも業務を任せることができるところです。「kintoneのこのボタンを押して」で作業が完了するのは素晴らしいです。業務の拡張性に魅力を感じますね。

金栄：ボタン一つで処理が進むので、作業が属人化せず、誰でも安心して対応できる体制が作れている点は大きなメリットですね。

---

金栄：クラウドBOTはどのような企業におすすめできると感じますか？

山田様：kintoneをメインで使っている企業とは相性が良いのではと思います。あとはやはりRPAなので、業務の平準化ができていることが上手くいく条件になってくるのではないかと思います。

金栄：ご意見ありがとうございます。業務がしっかり平準化されていることは、RPA導入において非常に重要なポイントだと私も思います。

最後に

金栄：今後、クラウドBOTで取り組みたいことがあれば教えてください。

山田様：最近追加されたメール受信トリガーを使ったBOTを作成してみたいと思っています。納税完了通知メールを受信したら、kintoneのレコードを更新するような自動化を実現したいです。メールで届いた請求書をローカルフォルダに自動格納するような処理も構築していきたいです。

金栄：最新機能までしっかりキャッチアップしていただき、本当にありがとうございます。実装で悩む場面がありましたら、全力でサポートしますので、ぜひお気軽にお声がけください。

インタビュアー　コメント

山田様のお話を伺う中で、「当たり前を疑い、一歩踏み出す勇気」がどれほど業務を前進させるのかを改めて実感しました。属人化しやすい業務において、誰もが安心して作業できる仕組みをつくる。その実現に向けてクラウドBOTがお役立てできていることを非常に嬉しく思います。
これからもぜひ一緒に、もっと便利で働きやすい環境づくりに取り組ませていただければと思います。

---