導入事例

ー Customer Stories ー

kintone×クラウドBOTで無駄のない業務フローを構築

全国に9のオフィスを構え(2024年3月現在)、ITを活用した業務効率化により全国の企業に高品質でリーズナブルな税務に関するサービスを提供されている、サン共同税理士法人様にお話を伺いました。


写真左)サン共同税理士法人 CTO・税理士 宮川 大介、写真右) 株式会社C-RISE 金栄 貴司

写真左)サン共同税理士法人 CTO・税理士 宮川 大介、写真右) 株式会社C-RISE 金栄 貴司

サン共同税理士法人様は、業務全体のクラウド化を実施されており、社内業務の管理にはkintoneを採用されています。そこにクラウドBOTが加わることで、どのような業務効率改善に繋がっているのか、お伺いしてきました。



インタビュイー サン共同税理士法人 税理士 宮川 大介様、松坂 容子様
インタビュアー 株式会社C-RISE 金栄 貴司

導入の経緯について

金栄: RPAの導入はクラウドBOTが初めてでしたか?

宮川様:いいえ、弊社の代表 朝倉が会計事務所のRPA研究会に所属している事もあり、業界の中でも初期から使っていました。会計事務所向けのRPAや有名なデスクトップ型のRPAなど様々なRPAを使ってきました。

金栄:数々のRPAを利用する中で、今回クラウドBOTを採用していただいた理由についてお伺いできますか。

宮川様:まず、インストール型のRPAの場合は実行環境を作らなければいけない点を一番課題に感じていました。使うPCに都度RPAをインストールする必要がありますし、並列実行もできません。スタッフが100人いて、100人で使おうと思ったら、100人分のRPA環境を作らなければなりません。PCに依存しないブラウザ上で仕事が完結するような環境を目指していたので、これが完全にボトルネックでした。
クラウド型のRPAでこの問題が解消できると考え、検証を進めていました。


サン共同税理士法人 CTO・税理士 宮川 大介

もう1つのポイントは、業務フローの中でRPAを実行できる点です。弊社はコロナ前よりリモートワークを導入していたこともあり、kintoneの導入やクラウド会計システムの導入など、ほとんどの業務をブラウザで行える環境を整えていました。
その環境が整った上でRPAの導入を考えた時に、わざわざRPAだけを専用の画面から実行するのではなく、kintoneで行っている業務の流れの中でkintoneからRPAを実行できる点に価値を感じました。
複数のクラウド型RPAを比較検討していたのですが、使いやすさとロボット作成の簡易性からクラウドBOTを選び、開発を進めています。

金栄:今回の選定では、kintoneからRPAを呼び出せるkintoneプラグインの存在も大きく影響したという事ですね。


 株式会社C-RISE 金栄 貴司

クラウドBOTの利用用途と導入効果

金栄:クラウドBOTは具体的にどのような用途で利用していますか?

宮川様:簡単ですごく効果が高いなと思ったのが、FAX送信の自動化です。元々複合機を使った手作業でFAX送信を行っていましたが、FAX送信ができるWebサービスを導入し、クラウドBOTで送信作業を自動化しています。
FAXの送信先の情報はkintoneのマスタに保存されているので、kintoneにテンプレートファイルを登録して、実行ボタンを押すだけで、クラウドBOTが実行されFAXが送信されます。
この業務フローと連動してRPAが実行するところにすごく価値を感じています。kintone側に送信履歴も残りますしね。
時間で言うと毎月80~100分ほど削減できていると思います。
印刷して、プリンターに取りに行き、FAX番号を入力して、複合機から送付する作業がなくなりました。
テレワークのスタッフがFAXを送信するためだけに出社していた事もあったようですが、そういった事もなくなりましたね(笑)。

金栄:たしかにFAX送信のためにだけ出社するのは気が重いですね(笑)。

宮川様:郵便もクラウドBOTで自動化しています。kintoneにファイルを登録して、ボタンを押すだけで、kintoneに登録されている差出人や送信先の情報を使って、Web郵便を送れます。返信用封筒付きのレターパックを届ける事もでき便利です。


サン共同税理士法人 CTO・税理士 宮川 大介

松坂様:税務申告する時に、e-Taxの番号を取得する部分でも利用しています。kintoneに登録されている顧客マスタ情報を基にクラウドBOTを実行し、利用者識別番号を発行します。クラウドBOTは取得した値をkintoneに書き戻す事ができるので、kintoneのマスタに自動的に登録されます。

宮川様:e-Taxの操作を自動化する事で、スタッフがe-Taxの操作を覚える必要がなくなり、マスタの情報さえ正しく登録すれば、効率よく業務を進める事ができます。データを連携しやすくするkintoneのテーブル設計もノウハウですね。

金栄:すごい…、kintoneの設計が洗練されていますね。業務フローを管理するkintoneとWebサービスの操作を自動化するクラウドBOTがきれいに連携されていて素晴らしいです。

クラウドBOTの良いポイント

金栄:クラウドBOTの満足度を教えてください。

松坂様:とても満足しています。ポイントは大きく3つあります。
1つ目は、操作を記録していくだけで作れるので、専門知識が必要ない点です。
2つ目は、動作が速いところです。作成途中のWebページの描画速度やツールの動作が速いのでストレス無く作ることができます。
3つ目は、技術サポートが手厚い点です。Webミーティングで対応していただける事ってなかなか無いと思うので。

宮川様:クラウドBOTの動作が早すぎると感じましたね。

金栄:ありがとうございます!専門知識がなくても作れるというコンセプトや操作性はサービス設計時から重視してきた部分なので、少しでも感じ取っていただいている事が嬉しいです。

最後に

金栄:クラウドBOTはどのような会社におすすめですか?

宮川様:ブラウザ操作が多い会社だと思います。あとは、業務の設計から見直したいと思っているところにはすごくおすすめですね。業務フローをきれいに整理するとクラウドBOTを使ってこれだけのことができるという世界観を知って欲しいと考えています。

金栄:今後クラウドBOTでやっていきたい事があれば教えて下さい。

宮川様:kintone自体をクラウドBOTで自動操作させてみたいですね。あと、バックオフィスの業務は入退社の管理など無限にあります。優先度の高い物から順に自動化を進めていきたいと考えています。

インタビュアー コメント

「まずは業務フローを整える、RPAは業務フローの中で実行する」というコンセプトが大変参考になりました。kintoneの作り込みが素晴らしく、クラウドBOTのお話を伺いつつ、kintoneの画面に見入ってしまいました。
終始和やかな雰囲気で取材に応じて下さり、ありがとうございました。

サン共同税理士法人 北千住オフィス所長
CTO・税理士 宮川 大介


サン共同税理士法人 北千住オフィス所長 CTO・税理士 宮川 大介

2007年よりシステム会社に勤務。プログラミングから上流工程・システムコンサルティングを経験。
2009年より都内税理士法人にて中小零細企業から上場会社の税務を担当。連結納税システム導入コンサルティングでは述べ100社以上の導入に関わり、講師等を担当。システムエンジニアの経験から、生産性向上を目的とした会計・税務システムの導入・業務改善コンサルティングを行う。
2019年サン共同税理士法人にマネージャーとして入社し、2021年サン共同税理士法人のパートナー、北千住オフィス所長に就任し、現在に至る。